代表選手のボイコット続報

 代表の騒ぎの続きですが。クラブオーナーたち(すなわちサッカー協会幹部たち)のうち、ヴェルガラ(チバス)、ヘスス・マルティネス(パチューカ)、ホルヘ・ウルディアーレス(モンテレイ)、フランジー(テコス)らは、ネストル・デ・ラ・トレを支持すると発言しているようです。


 ヴェルガラは、ネストルがきちんと役割を果たしている、代表に選出される立場の選手たちがこんな恐喝行為をすることを認めるわけにはいかない。こういう場合は今後の選出はないという規則を定めなければならない。ネストルが解任されることもありえない。それはオーナー会議が決めることだ、と発言。


 マルティネスは、選手たちへの罰則を決めたのはネストルだけではない、コンペアン会長とデ・マリア、幾人かのクラブ会長とオーナーもそれを追認しての処分である、規則に則っている、と発言。でも選手たちは処分を不満としているわけではないような気がしますが?


 ウルディアーレスはこの問題に巻き込まれたくない、と言いつつも、ネストルを支持することには何の迷いもない、とのこと。フランジーは、選手たちがまるで世界チャンピオンのような口を利く、と言ってます。まあもしメキシコが本当に世界チャンピオンなら誰もネストルや協会を批判しないと思うけどね。

ラファの展望?野望?

 さて、一方でこの騒ぎの発起人、謀反の張本人とも言われているラファ・マルケスですが、こちらもなかなかとんでもないことを言い出してます。


 ラファ・マルケスは次のような発言をしたそうです。「明日、すべてのオーナーにひとつの計画を提案したい。これから4,5年かけてメキシコサッカーを改善する案である。その計画を遂行するために、自分にすべての権限を与えてほしい。4,5年でメキシコサッカーの構造を根底から変える計画だ。オーナーたちにも選手たちにもそしてメキシコサッカーにとっても良い方向に向かうはずだ。(計画を遂行するのは)協会会長としてかディレクターとしてかはわからないが、私は常に自分の国のことを考えている」、とのことです。自分にすべての権限を、そしてあなたたちは口出ししないでほしい、とも。
 さらに「これはもう政治的な、あの人物(ネストル)と我々のあいだの個人的な問題になっている。我々は戦うつもりはない。ただみんなに、我々がこれ以上踏みつけにされたくないこと、我々の言うことに耳を貸してもらえなかったこと、訊ねてももらえなかったこと、我々がまったく保護されていないこと、全世界に対して疑いの目を向けさせたこと。ネストルはW杯で物事をうまく運べなかった。我々はそれだけではなく、もっと他のことについても踏まえてあの手紙を書いた」と言ってます。
 またアギーレについても、自分が唯一のキャプテンでなかったこと、何よりも開幕戦でキャプテンを任せてもらえなかったことは、自分と自分のキャリア、自分の地位に対する侮辱であると感じたそうです。しかし自分は仕事する立場だから、ベストを尽くし、アギーレの決定を尊重すると言ってます。
 そして、今後自分を代表に招集しないのは臆病者のすることである、自分は思うことをすべて包み隠さず話して、ネストルがその地位にふさわしくないと示したのだから、とも。「今の段階で代表チーム委員会を率いる器の、オーナーとも選手ともうまくやり、結果を出せる人はいない」とも言っています。


 クルスアスル会長ギイェルモ・アルヴァレスによると、この問題は重大であり、10月18日のオーナー会議で話し合うことになるだろう、とのことです。いずれにしても、すでにメキシコサッカー界ではかなりの議論を巻き起こしてますが……。


 以下、私の意見を少し。ウーゴ・サンチェス、エリクソンと、疑問の多い監督を次々と持ってきて代表選手たちに負担をかけ、無駄な時間を費やしてしまったことに対しては確かにメキシコサッカー協会に責任があると、私も思います。それはメディアでもちらほら指摘されていましたが、保守的なメキシコではそれもなかなか改善されないだろうな、というジレンマはありました。そこらへんにラファの不満が溜まりに溜まって爆発した、というのもわからないではないです。が、それにしてもこれはラファの勇み足が過ぎるだろう、という印象。ウーゴですらあの体たらくだったのに、まだ現役の一選手が何を言うか。
 ちょっと、メディアとかに持ち上げられすぎていい気になっちゃってんじゃないの、という感じはします。しかもスペインが優勝してってのもあったんじゃないか、と記事についたコメントに指摘もありました。それもあるかもですね。そして自分はバルセロナを追い出されて養老院リーグ行きだし。
 いずれにしても、ちょっとこれはやり方がまずかったんじゃないか、メキシコでは通用する方法ではないんじゃいか、という気がします。ラファ、スペイン長くてメキシコ流を忘れてないか? いずれにしても、これからどうなるのか、不安でいっぱいです。改善されれば嬉しいけど……。
 ああ、もしかしてラファ、独立200周年、革命100周年で、100年の節目としてメキシコサッカー革命を目指してるのかなあ……(溜め息。


 ただちょっとラファ擁護もしておけば、ずっと不満ともどかしさが溜まりにたまっていたんだろうな、というのもわかるんですよね。権力がほしいとかではなくて、純粋にメキシコサッカーをよくしたいという気持ちからこういうことを言い出してるんだろうなと。やり方がまずいだろ、とはそれでも思いますが


 サッカー協会ジェネラルセクレタリーのデシオ・デ・マリアは、コンペアン会長とともにネストルを支持すると発言(まあ当然でしょうが)、しかも、罰則を受けた選手たち(つまり今回の招集拒否にサインした選手たち)も、対ベネズエラ戦に呼ばれるだろうとか言ってます。えええ〜。
 てことは、招集されて行くか行かないかで、各選手の立場がはっきりするってことですよね? えぐいな〜。しかしデ・マリアはラファと、そしてトラドとも話し合いを持ち、問題を解消したいとも言っている様子。
 また、デ・マリアは、くだんの手紙についてマスコミに漏らしたのは自分ではないと言い、選手たちの手紙には「このことはくれぐれもマスコミに知らせないように」とも書いてあったとか。うわわわわ〜。もう、めちゃくちゃの二乗ですな。どーすんだよ、これ。


 ちょっと付け足しておきますが、そもそものきっかけになったモンテレイでのパーティ騒ぎも、私が見ていたかぎりではマスコミが必要以上に騒ぎ立てたという気が。どれくらいの迷惑をかけたのか知らないけど、パーティくらいするだろうよ。それに煽られて処分に踏み切ったなら、協会もどうかと思うけど。
 しかしまあこの辺でちょっと締めといたほうがいいかな、と協会が考えたとしたら、それもわかる範囲内。それに続いてまた誰が漏らしたのか暴露したのか知りませんが、選手たちが内々で済ませようとしていた件について暴き立てたわけですね。内緒にしておくのがいいとは言わないけど、やりすぎでは?


 Estoさんの記事がフアレスのツイッター経由で廻ってきました。それによると、罰則は不当、なぜならば親善試合終了後の夜、パーティをした時間はすでに代表は解散していたから、というもの。選手たちに渡されたプランでは、コロンビア戦終了と同時に解放されていた、と。はぁ〜またややこしい話を。
 コロンビア戦が終わると、選手たちはその後自由に帰るなり何なりすればいいと書かれているそうです。とすれば、そのあとホテルに誰を呼ぼうが、協会が口出しすることではないわな、確かに。
 うーん、何だかもう情けない。そもそもホテルで騒ぐな、代表選手の自覚を持って行動するように、と注意すればそれですむことだったのでは。そうしたら、すべてのゴタゴタが回避された、かもしれない。Estoさんもこんな記事書くなら、処分が下される前だったらもっとよかったのに。

サルシードのスキャンダル

 ふわあああ、なんてこったい。私がフォローしている「マジメな」メディアツイッターではほとんど出てませんでしたが、アステカテレビが一言、「サルシードに起こったこと、どう思う?」と。何それ、と検索してみたら……。


 例のモンテレイのパーティに呼ばれたという性転換女性(つまり元男性、詳しくないので用語間違ってたらすいません)がインタビューに答えてました。それによると、ホテルに呼ばれたのは彼女の友人(女性2男性1)と合計4人で、選手たちとその家族とのサロンで普通の音楽を聴きながらの夕食だったと。
 なかでもラファ・マルケスとオチョアは食事だけしてすぐに引き上げたので、このパーティにはほとんど関係ない(だったらなぜ処分受けてるのだ?)。招待されたのは(だいぶためらってから名前出してますが)サルシードとフェイスブックを通して4月ごろに知り合ったため。
 シティで仕事中だったが、サルシードにモンテレイに来いよと誘われて行った。動画で見られるインタビューでは話はここまでですが、記事によると食後にサルシードは彼女をトイレに誘い、オーラルセックスやキスをしたとのことです。あげくに彼女が元男性と知ってうろたえ、それ以上のことはなかったと。
 動画や写真を見れば、普通にきれいな金髪のお姉さんですけどね。写真と動画はこちらに。ただし、すっぱ抜いた雑誌は、見るからにゴシップという感じで、私も見たことはありますが、買ったことは……一回くらいかな? URL


 サルシード本人はこれに対し、まったくサッカーと関係のない個人的な話で、報道されるいわれはない、弁護士を立てて雑誌を訴えるので、これ以上自分から何か言うことはできないが、妻は公的な人物として自分があれこれ言われることを理解してくれていて、それについてとても感謝している、とのこと。
 とにかく自分は仕事であるサッカーと自分の家族に気持ちを集中させている、問題はない、と、まあまっとうな対応してますかね。また例の手紙については、代表を辞めたつもりはまったくない、今週招集リストが発表されるが、行くかどうかはわからない、コメントはできない。あの手紙が公にされたことはショックだったが、今日のテーマはあのインタビューと雑誌の話だから、とその話題を回避しています。またサッカー協会幹部とも連絡を取り合っていて、問題はない、とのことです。まったくあっちもこっちもややこしい話ばっかりでうんざりしてしまいますな。

雑談、欧州ニュース

 チチャリートチャンピオンズリーグで初ゴール、マンチェスターUは1−0でヴァレンシアに勝利したようです。こんなの書かなくてもみんな知ってるだろうけど、何だかな〜なニュースが続いていたので、ちょっと明るいニュースもってことで。