代表選手たちがネストルに反旗

 メキシコ代表、何やらきな臭いことになってきてます。先日のパーティ騒ぎから罰則を科せられた選手たちと、巻き込まれていない選手も一部含めた10数名が、ラファ・マルケスを筆頭にサッカー協会に手紙、コンペアン協会会長に対し、当分、公式非公式を含めて代表には招集しないでくれと要請。
 その理由は、ネストル・デ・ラ・トレ代表委員会会長のやり方がもうずっと前から気に食わなかった、ということらしいです。今回の件についても、マスコミの圧力に踊らされての処分であって、本当はそんなことより代表監督をさっさと決めるべきだろう、という批判は他からも出ていました。筆頭はクアウ。
 medioさんによれば、ネストルはこの手紙が本当であると認め、ただしそれに対する回答については今はまだ何とも言えないと答えているそうです。でもまあ、やり取りを実際に読んでみると、はっきり認めたと言えるのかね、これ? よくわかりませんが、何やら動きがあることは確かなようです。


 手紙を書いたのはラファ、それに連名でサインしたのはサルシード、マサ、トラド、バレラ、ジョバンニ、グアルダード、フアレス、エスケーダ、メモ・オチョア、ヴェラ、チチャリート、モレーノらしいです。あれ? すいません、罰則科されてない選手は入ってませんでした。
 んで、なぜこのタイミングなのか、本当かどうかもわかりませんが、批判の口火を切ったクアウは、「でも招集されるんだったら代表出るよ」と言ってるらしいですwww

@dspspade 何だか変な騒ぎになってきましたよねえ。これまで代表委員会やサッカー協会の内部に対してはアンタッチャブルな雰囲気があったんですが、これで少しは風穴が空くんでしょうか。だとしても、どうなっちゃうのか……。ちょい心配ですよね……。
@dspspade まあタイミングはメキシコは悪くはなかったかも?w まだ余裕ありますから、何とか収拾してほしいですけどね。ラファもよくやるなあ。代理人か弁護士が書いたとしても、本人の意志でしょうしね。困ったことにならないといいけど……。おサルもなあ、せっかく引退撤回したのに…。


 この騒ぎで、もしよくてネストルが解任されたとしても、選手たちのほうはじゃあ元通り代表で、というわけには行かないんじゃないか? 選手たちにもそれなりの処分が(またも)科されるのでは。悪く転べば、ネストルはそのままで選手たちだけってことも充分ありうる。どうするつもりなんだ、みんな。

カリーヨの発言あれこれ

 それから、こないだから小出しになってて気になってるカリーヨのW杯に関する発言のあれこれ。代表監督アシスタント(元)が、監督(元)のいないところで内情についてあれこれくっちゃべるのはどうよ?
 カリーヨとしては、自分が代表監督になりたいがためのアピールなのかもしれないけど、そのモラルはけっこう批判されている様子。ただ、具体的な発言については、ギジェの起用についてしかちゃんと読んでないので、またそのうちきちんと読んでから書きます(いつとは訊くな!)。
 んで、クアウテモック・ブランコはネストル批判をしつつも、今回の騒ぎには関係ないので、10月のベネズエラ戦呼ばれるんならいくよ〜、テレノベラ『愛の勝利』出演も決まったよ〜、と、ご機嫌です。しかしクアウこそが、普段から規律違反で騒ぎ起こしまくってるじゃないか、という批判もw
 なんか、メキシコサッカー、ぐじゃぐじゃ……。


 カリーヨの発言あれこれ……いろいろありすぎて、しかも何が言いたいのかよくわからなくて、うまくまとめられません。が、とにかく適当につまみ食いで書いてみます。


 まず選手の起用あれこれ。ギジェについては、イングランドとの親善で衝突して怪我をし、そこから完全に回復はしていなかったが、彼はそれをアギーレやカリーヨには言わなかった、プレイできるかと訊かれたらいつもできると答えたのでプレイさせていた、回復してないことに我々は気付いてなかった、と。
 怠慢か怪我かまで明確に見抜けとは言わないが、ギジェがちゃんと走れてないのはテレビで見てる素人にもわかったこと。しかしこのカリーヨの発言を「我々ふたりはギジェに騙された」と解釈している記事もありました。カリーヨが本当にそう発言したかは謎だけど、指導する側として恥ずかしくないか?
 ボフォを最後の試合まで起用しなかったことについては、カリーヨは彼を偉大な選手と認めているが、今回はリズムに乗っていなかったため、と説明。
 グアルダードが予想以上にベンチだったことについては、ラファと役割(ゲームメイキング)がかぶっていたため、アギーレは最終的にラファを優先したと説明しています。


 ここまでは、へえ、監督の助手がべらべらとチームの内情を語るんだねえ、とは思いましたが、それだけでした。事実、どうしてなのかずっとメキシコ人(私含む)が疑問に思ってきたことへの、(納得できるかどうかは別だけど)答でもありましたしね。
 しかし、ここからカリーヨはチーム全体の水準と、すなわちアギーレの指導力について言及し始めます。カリーヨによれば、今年のメキシコ代表はもっといいところまで行ける力を秘めていた、と。まあこれは誰でもが言うことかも知れず、よろしいでしょう。
 しかしカリーヨの発言のニュアンスは、アギーレがカリーヨの意見に耳を貸さず、そのためにチームは真価を発揮できなかった、という感じになっています。まずカリーヨが南アに参加できたのは彼自身の能力の賜物で、アギーレの友人だからではない、友人ではない、感謝はしているが、とのこと。
 アギーレとは友人ではない、と微妙に言葉を変えて何度も言っています。これは、ティグレスやプエブラの監督を短期間で干され、その後ひとりひっそり欧州に渡ってアギーレの懐であるアトレティコに潜り込んだこと、その直後にアギーレがアトレティコ解任になったこと、そのままくっついて代表へという一連の流れから、アギーレがカリーヨに対して友情であるか責任であるかは知りませんが、感じて自分のアシスタントに加えたのではないかと思われる、そのことを否定したかったのだろうと思います。にしても、「友人ではない」とはね……。


 さらに続く発言でカリーヨはこんな言葉遣いもしてます。「もちろん私にはハビエルにどうやって勝つかを進言する義務があった。そのために私はそこにいた。彼の右腕であることを受け入れ、ハビエルに『こうしよう』と薦める責任があった。彼は私の友人ではない、我々は友人ではない。もし友人だったなら、私は父を連れていっただろうが、そうではなかった。W杯には友人であろうとなかろうと能力のある人間を連れていくものだ。ハビエルは私を信頼し、私は一生そのことに感謝するが、私たちが友人であったならと望む、彼の友人でありたかった」と強調。何の話してるんですか。
 カリーヨは、自分が代表のスタッフであり、その責任の一部を背負っていることを認めていますが、同時にそれは一部でしかないとも自己弁護。対戦相手をじっくり研究分析して、メキシコの強みとしたのは自分だが、と自慢?することも忘れません。
 そしてアギーレにあれこれ選手起用について進言もしたが、最終的にアギーレは自分で決めたと。これは、先のギジェやグアルダードについてのところでも、それとなく漏らしていました。意見の相違があったということか、カリーヨには不満があったということか。
 しかし全体としては、カリーヨがアギーレに「いい進言」をしたのにアギーレはそれに対して聞く耳持たなかったためにチームはその力を十全に発揮できなかった、と言っているも同然。よって、このカリーヨの発言行為はメキシコメディアで「カリーヨのアギーレ批判」もしくは「裏切り」と命名されてます。


 カリーヨと同じく南アW杯スタッフで、アギーレが来る前からGKコーチだったアルベルト・アギラールがこのカリーヨ発言について意見を求められていますが、アギラールは賢く、人それぞれの考えがあるからカリーヨがそう思うとしても自分はそれについて何とも思わない、と答えています。
 ただしアギラールにとっては、問われればいいW杯であったと思うし、チーム全体の雰囲気はよく、不和などはなかった、と答えています。カリーヨはあなたの友人ですか、については、同僚ですとのみw こういう回答が面白いかどうか、チームにとって有益かどうかは別として、常識的ではあると思います。


 さて、こういった前段を踏まえて、今回の選手たちからの代表招集拒否についてカリーヨはネストルについて「感じのいい人物ではないよね。私も感じのいい人間じゃないし」と言ってますwww カリーヨ、わかってんのかい。ちょっと、好きになっちゃいましたw
 さらに、「私自身付き合いやすい人間じゃない、歌わないし、いつも踊るわけでもない、トレーニングするだけだ。ネストル・デ・ラ・トレは自分の役割を充分に果たしたと思う、我々にやってくれたことはすばらしかった」と弁護しています。まあカリーヨに野心があれば、協会の偉いさんの悪口は言えないw
 しかし、先日のアギーレ友人に非ず発言について、「アギーレはボスで、命令する人で、誰の意見を取り入れるかは本人がわかっている。私を連れていったのはスタッフとしてで、だから私もその仕事に専念した」と、殊勝とも取れるニュアンスの発言。そういう意味の発言なら、ちょっとは嫌味度が減ります。

雑談

 Recordさんのスキャンダル版circo、ツイッターちらっと見たけどすごいな。ミスユニバースがウーゴ・サンチェスの息子(同名)と付き合ったけどDQNで一ヶ月しか続かなかったとか、ベリンダ(ジョバンニの元カノ)が三人を股にかけてたのを否定したとか、そんな話題満載だよ。