メキシコリーグの外国人枠縮小案
メキシコサッカー協会が、外国人枠の縮小を検討中だそうです。
現在の一部リーグの外国人枠は、クラブあたり5人まで。それを場合によっては3人まで(実際には協会は具体的な数字は出していませんが)減らすことを今後検討するとか。理由は、メキシコ人選手の若手にもっとチャンスを与えるため。
メキシコリーグの外国人枠は、私が知っている範囲ですでに一度減らされています。2006年だったかな。それまで6人だった枠が5人になりました。
それからも、サッカー協会の若手育成への努力は絶え間なく、
- 一部リーグで若手起用ルールの導入
- 三部リーグをふたつに分けてチーム数を増やし若手タレント育成の場としたこと(四部リーグもずっと前から若手選手のリーグです)
- 二部リーグを縮小して一部リーグの下部チームを廃除し、その代わり、U-17リーグとU-20リーグを設立したこと
などなど……。それでも、まだ足りないのか……。
サッカー協会会長のコンペアンによれば、メキシコサッカーの状況は大学と同じで、入学者は数多くいれども就職先がない、サッカーも若手選手がどんどん入ってきてもプレイできる場所がない、ということらしいです。
メキシコのサッカー人口、恐るべし。
しかしまあ若手育成に頑張るのはいいとしても、外国人選手をそのために排除してメキシコサッカーが低迷しないか心配です。今5人の枠を3人に減らしたところで、18チームある一部リーグで空く枠は36人分。少しでもレベルの高いリーグでプレイすることは大事でしょうが……。
一方で、たとえばティグレスのアルゼンチン人ダミアン・アルヴァレスなどは、メキシコ代表云々ではなく、メキシコ国籍取得を考えている、という発言も最近ありました。長年メキシコでプレイしている選手たちは、国籍を取得したほうが何かと生活も便利になるかと思います。そういう形でメキシコに残れる外国人選手もいるでしょう。
ただし、今の規定では、メキシコ国籍を取得後2年はメキシコリーグでプレイしていないと、メキシコ人枠に入れてもらえませんので、たとえばダミアンが今すぐメキシコ国籍を取ったとしても、サッカー協会の外国人枠縮小が来年から導入されれば、ダミアンとて解雇の危機にさらされます。
いい選手なら残る、とも言えるわけですが……。難しいところですね。