選手紹介:クアウテモック・ブランコ

ベテラン組その2のこの人は、今年のW杯出場選手の中でGKを除いて一番お年寄りなんだとか。
最年長はオランダGKボスフケル、その次がイングランドGKジェームス、
三番目がオーストラリアGKシュワルツァー、四番目が米国GKハーネマン
そして、その次がGKではない、メキシコのクアウテモックです。
ちなみに六番目はやっぱり、クアウと二週間違いのメキシコGKコネホ

フルネーム

クアウテモック・ブランコ・ブラボ(Cuauhtémoc Blanco Bravo)
クアウテモクという表記も。



眉間のたてじわがチャームポイント?

背番号

10番
クラブ・アメリカでもずっと(初期を除いて)10番

あだ名

クアウテモックの略称で、クアウ、もしくはテモ。
「白いサメ」の意味のティブロン・ブランコとも(よく噛みつくから?)。

生年月日(年齢)、生誕地

1973年1月17日(37歳)
メキシコシティでも混沌と犯罪で有名なテピート生まれ。
そういうところから有名選手が出たという意味でも、英雄扱いされることがあります。

ポジション

FW
どっちかというと1.5列目くらい。
思いがけない方向へまったく見ないでヒールパスを出したりして、それがどんぴしゃだったりする。
普段はドタドタと走っている印象で速くないのだが、スペースを見つけたりうまいパス出しのセンスはぴか一。

所属クラブ

メキシコ二部(リーガ・デ・アセンソ)のベラクルス


これには長い歴史がありまして。
もともとクラブ・アメリカの中心選手だったクアウは、2004年にリベルタ杯で騒ぎを起こしてコンメボル一年間の出場停止処分。アステカ・スタジアムでもプレイを禁止されたため、クラブ・アメリカからベラクルス島流し(当時のベラクルス一部リーグ)。
そのあとクアウはまたアメリカに戻り、それからMLSのシカゴファイアに。MLSのオフシーズンを利用して、サントスがリギージャのあいだだけクアウをレンタルという、みんながあっと驚く奇策に出たことから、今度は二部リーグのベラクルスがオフシーズンのクアウレンタルを希望。かつて所属していた愛着もあってか、結局そのままベラクルスに残ることになった、という経緯だと思います(どこか変だったら指摘お願いします)。
決して、メキシコではクアウの実力が二部リーグにふさわしいとみなされているわけではない、ということで。

身長・体重

177cm、72kg

経歴

1992年にクラブ・アメリカでデビューしてから、合間に弟分のネカクサや、上記事情によりベラクルスなどに行った時期もありましたが、ずっとアメリカのシンボル的選手。
2000年にスペインのレアル・ヴァジャドリードに移籍。
しかし2000年10月、W杯予選で膝を割るファウルを受けて長期離脱。
W杯は本番までに何とか回復して、1998年に引き続き出場。


メキシコでも数々の記録を打ち立てて有名になっちゃったのと、もともとの性格もあったんだろうなあ。
マスコミ相手などに、歯に衣着せぬ過激な発言とかで、騒ぎを起こすこと数多し。
それでもなんだかお茶目で憎めない感じがあって、アイドル的存在。
で、2005年コンフェデ杯のとき、ラボルペ監督のメキシコ代表に、休みたいから行かねえよ、と発言。
ところがそのときのメキシコ代表が案外いい試合をしてしまって、わがままな選手はいないほうがいいよな、とラボルペが思ったらしい。
その後、2006年まで代表に呼ばれなくなっちゃった。
というわけで、2006年ドイツW杯には出場せず。


そのころ、クラブ・アメリカは不調のどん底に陥り、その原因がどうやらクアウとパルドの確執にあるらしいと噂。
チームがこの二人を中心に真っ二つだったとか。
結局2006年のW杯で活躍したパルドが、クルスアスルのオソリオとともにドイツのシュトゥットガルトへ移籍。
アメリカには平穏が訪れたようです。
その後、クアウも結局アメリカを離れてMLSシカゴファイアへ移籍、パルドはドイツからアメリカに戻ってきたりと紆余曲折。
しかしウーゴ・サンチェスがメキシコ代表監督になって、クアウもまた代表に呼ばれるようになり、パルドもたまに呼ばれたりして、さすがにこのころはふたりの確執もなくなったのか、代表では一応仲良くプレイ。


メキシコ代表監督がエリクソンになって三つ目の試合、W杯予選対カナダ戦で、いきなり代表引退表明!
(試合レポはこちら、引退表明の記事はこちら
何となくこのときすでに、引退表明に信憑性なかったりもしたんですが。
代表キャップ数が100だとか違うとかいう話もあったりなかったり。
でもやっぱりまたプレイしたいな〜、みたいなことも匂わせてたんですが、エリクソンは頑として二度と使いませんでした(笑。


アギーレになってから、やっぱりメキシコ人だからその辺わかるんでしょうねえ(笑。
クラブのほうでも調子よくプレイしているし、世論はいつもクアウラブラブだし、招集されれば行くよ〜とクアウのラブコールもあるし。
というわけで見事に代表復活(クソマジメにクアウの発言を受け止めたエリクソンお気の毒)。
W杯予選ばかりか、本戦も出場する勢いです。
記録とかよく知らないんですが、予選中に確かテレビで、クアウがもし南アW杯に1分でも出場したら、何だかの記録を塗り替えることになるとか言ってたような気がします。
ひとまず、クアウにはこれが三回目のワールドカップです。


クアウの知名度と人気はメキシコでも群を抜いてますよね〜。
MLSのシカゴファイアに行ったときも、サントスにオフシーズンのレンタル移籍したときも、その経済効果がすごかったらしい。
プレイのほうはまあ、歳相応にちょっと……というところもありますが、上にも書いたようにまだまだ光る部分もあり。
日本でも紹介されて有名だと思いますが、カニバサミ(スペイン語でクアウテミーニャ)という独特のプレイを生み出すお茶目さんでもあります。


なんかまだまだ書き忘れてることありそうな気もしますが、キリがないのでこの辺で。